地震の防災対策にまず欠かせないのが、家具の固定とガラスの飛散予防です。
あらかじめ対策をしていた場合は、激しい揺れによって家具が倒れたり、モノが落ちたり、ガラスの飛散を防ぐことができるかもしれません。
わが家は築年数35年以上の木造住宅に住んでいることもあり、家具の固定やガラスの飛散防止対策を少しずつ進めてきました。
この記事では、これから地震対策を始めようとしている方へ向けて、家具固定の必要性や、耐震用グッズ、固定するときの注意点などについて紹介します。
家具の固定の必要性
家具を固定する5つの理由
- ケガや家具の下敷きになるリスクを減らす
- 避難・救出経路を確保する
- 自宅避難できる可能性を高める
- 地震後の片づけ・掃除による体力の消耗を減らす
- 家具や家電を使い続けられるようにする
家具の固定はケガの防止や転倒から命を守るほかに、その後の生活にも大きく影響を及ぼすことが考えられます。
築年数を知る
「住んでいる家が何年に建てられたか」を確認することも大切です。
地震で倒壊の恐れが高まる築年数の目安は、1981年(昭和56年)5月以前に建てられた「旧耐震基準」の物件です。さらに、1981年以降の「新耐震基準」であっても、2000年5月以前の木造住宅は耐力壁の配置基準などが不十分な場合があり、注意が必要です。
日本耐震診断協会より
地震から家の中を守るためにできること

大切なのは、地震が起きたときに「倒れない・落ちない・割れない・避難の邪魔にならない」ように、家の中を整えること。
普段何気なく過ごしている場所やモノを、「地震が起きたらどうなるだろう?」と意識することで、気になる部分が見えてきます。

わが家の場合、入浴中に洗濯機が倒れると、ドアが塞がれてしまうことに気づきました
家具や家電を固定する
タンスや食器棚、本棚など、倒れると大きなケガにつながる家具は、できるだけ倒れないように固定します。
このとき、家具の大きさや重さ、設置場所によっても適した固定方法が違うので、それぞれの家具や家電に合った方法を選ぶことが大切です。
避難経路をふさがない
とくに寝室から玄関までの通路や廊下など、避難するときに通る場所には、できるだけ倒れるものを置かないようにしましょう。

家具の上や床に置くモノを減らす
棚の上に置いているモノや床に置いているモノも、落下・散乱することがあります。
不必要なものは手放したり、高い所には割れもの・重いものを置かないことで、ケガの予防につながります。

重いものと軽いものを、上下の棚板に入れ替えてもいいですね
ガラスの飛散を防ぐ
ガラスが割れると、破片が広範囲に飛び散って大変危険です。
窓ガラス、ガラス付き食器棚、ガラス戸、ガラスケース、ガラスの飾りものには飛散防止フィルムを貼ったり、倒れて破片が飛び散らないように固定しておきます。
倒れると危険なもの

地震が起きたときに凶器に変わってしまうものが、家の中にどのくらいあるかを確認することで、次の行動に移せます。
・タンス・衣類収納
・本棚・食器棚
・テレビ台・テレビ
・冷蔵庫
・電子レンジなどの家電
・棚の上に置いている重いもの
・キャスター付きの家具 など

あらためて確認すると、危険なものがたくさんありました
転倒防止グッズと使用例
つっぱり棒
天井と家具の間に挟んで固定します。
(例) 食器棚

設置場所の注意点
壁際への配置……家具をできるだけ奥の壁にピタッと寄せた状態で突っ張らせる
天井の強度……天井の芯材(梁や骨組み)がある固い場所に突っ張り棒を当てる
家具の端……家具の真ん中ではなく、強度の高い両端(外側の側板の上)に設置する
器具選びと取り付けの注意点
隙間に合う長さ……突っ張り棒が一番縮んだ状態、または一番伸びた状態での使用を避け、長さに余裕のあるサイズを選ぶ
垂直に取り付け……棒が斜めになると効果が激減するため、床に対して真っ直ぐ垂直に立てる
ストッパーの併用……突っ張り棒だけでは外れる可能性があるため、家具の下に敷くシート(安定板)を一緒に使うとより効果的
(例) 冷蔵庫

冷蔵庫の天面には、放熱や内部部品に関わる部分があります。
一般的な家具用の突っ張り棒を自己判断で取り付けると故障の原因になることを知り、専用のものを選びました。
L字金具

L字金具を使うと、本棚などの家具を壁にガッチリと固定できます。
L字金具で固定するときの注意点
- 「下地探し」を使って、壁に「間柱(木製の柱や桟)」が入っている場所に取り付ける
- 外れにくくするために、長いビス(ネジ)や太い金具を使う
- 金具の長い方→ 家具の上面・側面に、短い方→ 壁の柱や間柱(下地)に取り付ける
- L字の向きを壁側のビスを家具で隠すように取り付けると強度が上がる

粘着ジェル(耐震マット)
強い粘着性の耐震ジェルを家具や家電の底面に貼るだけで、地震の激しい揺れや衝撃を吸収し、転倒やズレを防いでくれます。
穴あけやネジ止めが不要なので、賃貸でも使えます。
テレビ、置きもの、小型家電などに。

家具転倒防止安定板
家具の底面に敷き、家具の重心を後ろに移すことで滑りや移動を抑えます。
突っ張り棒と併用すると、さらに効果的。


専用の道具
大型テレビや冷蔵庫など、購入時に付属品が最初から同梱されているケースがあります。
例:テレビ


捨てずに保管しておいてよかったです
手作りアイデア
家にあるものを使って、耐震用に利用するのもひとつの方法。
こちらは、「貼れる取っ手」と「結束バンド」と「強力両面テープ」を組み合わせたもの↓

ガラスの飛散防止
割れる危険のあるものは、安全のために、できるだけ飛散防止シートを貼っておきたい。



お水を使って貼り直しできるのが良いですね


ガラスケースには透明タイプを使いました

注意点・問題点
持ち家と賃貸によって使う道具が変わる
家具の固定は、住まいの状況や家具の種類に合わせた方法を選びます。
持ち家の場合
壁や柱へ、直接しっかりと固定することが可能です。
- L字金具などで家具を壁・柱に固定する
- 壁の下地がある場所に取り付ける
- 壁紙を剥がして接着する
賃貸の場合
「壁に穴を開けられないから、家具固定はできない」と諦めなくても大丈夫です。
- 突っ張り棒タイプ
- 家具転倒防止ストッパー
- 耐震マット
- 家具と天井の隙間を埋める
など、壁に穴を開けずにできる対策があります。
壁紙に貼ると剥がれる場合がある
耐震用のテープを使用しても、凹凸した壁紙では効果が発揮されないことがあるため注意が必要です。
時間がたってから剥がれていたことがあり、それ以降壁紙を切り取ってから貼りつけるようにしています。



壁紙をカットするのは勇気がいります
家具を固定するだけでは不十分
家具をしっかり固定していても、地震の揺れによって家具の中に入っている物や、家具の上に置いている物が落下することがあります。
たとえば、
- 扉が開いて食器が飛び出す
- 本棚から本が落ちてくる
- 棚の上に置いた家電や小物が落ちる
- 引き出しが開いて中身が飛び出す
というように。
そのため、地震対策では「物が落ちたり飛び出したりしないようにする」「不必要なモノを減らす」ことも大切です。

家具は背の低いタイプを選ぶのもいいですね
壁紙が剥がれる
強力両面テープを使用すると、壁紙が剥がれてしまうことがあるのでお気をつけください。
(失敗例)

形を整えて貼り直しました↓

掃除がしづらくなる
家具を固定すると動かせなくなるので、掃除がしづらい面も出てきます。
そこは、安全を優先するために割り切りも必要。
寝室は念入りに
夜中に大きな揺れが起こることも想定して、とくに寝室の安全を確認しておくことが大切です。
寝ているときは、すぐに立ち上がって逃げるのがむずかしいので、ベッドの頭側に背の高い家具を置くのは避けたいところ。
また、地震後は停電して部屋が真っ暗になる可能性もあります。
足元に散乱した物やガラスなどでケガをしないように、寝室にはスリッパや靴、懐中電灯などをすぐ手に取れる場所に用意しておくと安心です。
先延ばしにしてしまう

作業がめんどうなので、なかなか取りかかれません
家具の固定は大事だと分かっているけど、正直おっくうに感じてしまいますよね。
ついつい先延ばしにしてしまう場合は、防災センターで地震の揺れを体験してみるのもひとつの方法です。


震度7では、本当に立っていられないほどの揺れでした
大きな地震を身近に感じて、急いで冷蔵庫を固定しました
まとめ
家具の固定やガラスの飛散防止は、地震から身を守るために大切な備えです。
また、家具やモノが倒れたり散乱したりするのを防ぐことで、地震後の片づけや生活への負担を減らすことにもつながります。
自治体による補助制度や取り付けサービスを利用しながら、
いきなり家中すべてを対策するのは大変なので、まずは寝室や気になるところから始めてみてください。

片づけをして、要らないモノも減らしていきます
外出中に地震が起きたとき用に、備えているといいものはありますか?

最小限の防災ポーチを普段から持ち歩くのもおすすめです















家電製品が壊れなければ、断水や停電の復旧後も使えますね